2011年9月1日木曜日

老司校区を知ろう 3

第3回 老司瓦窯跡・2
~老司式軒瓦の特徴~

【老司Ⅰ式軒丸瓦】
瓦当部の内区は中房内の蓮子が1+5+10の16個。
複弁8弁蓮華文。
外区内縁の珠文31個と外縁の凸鋸歯文31個を配している。

【老司Ⅰ式軒平瓦】
瓦当て部の内区は右端のみ右反転、左6反転の扁行唐草文。唐草文の流れが強い。上外区には珠文23個、下外区・両脇区には凸鋸歯文を31個配している。

※老司瓦窯跡・観世音寺・三宅廃寺・杉塚廃寺・朝倉長安寺廃寺等から出土しています。
 国の重要な建物に使用されている瓦です。



【老司Ⅱ式軒丸瓦】
瓦当部の内区は中房内の蓮子が1+5+9の15個。
複弁8弁蓮華文。
外区内縁の珠文32個と外縁の凸鋸歯文32個を配している。

【老司Ⅱ式軒平瓦】
瓦当て部の内区は右端のみ右反転、左6反転の扁行唐草文。唐草文の流れが緩やか。上外区には珠文25個、下外区・両脇区には凸鋸歯文を31個配している。

※太宰府政庁・同官衙・観世音寺学校院・国分窯跡・筑前国分寺等から出土しています。

老司瓦窯出土品を祖形とする瓦は、一部変化を加えながら太宰府や九州各地の役所や寺院で広く使用された、九州を代表する瓦です。その文様は、格式高い本薬師寺、藤原宮の流れを汲むものです。

<老司公民館だより 2011年9月号>